Herish [おすすめアーティスト]
北九州は小倉出身の3ピース、Herish。BG MAGAZINEとの出会いは創刊前まで遡ります。2003年8月、翌月の創刊を控え、全国のインディーズ・ショップから情報を集めていたのですが、一番最初に編集部に届いたのがHerishの5曲入りデモCD-Rでした。彼らを推薦してくれたのはカメレオン・レコードの小倉店。あの175Rなんかもこのお店から羽ばたいていった音楽業界では有名なレコード/CDショップです。
そのCDの1曲目に入っていたのが“怒号の如き雷鳴”という曲。名は体を表すとはまさにこのことで、長~いイントロの後に飛び込んできたのは、怒号の如きサウンドに、限りなくエモーショナルな歌声。シビれました。うちの社長は早速小倉まで行き、インタビュー。創刊号には間に合いませんでしたが、Vol.2、Vol.3と2号に渡り紹介させていただきました。
彼らの魅力は前述したエモーショナルなサウンド、そしてVo&Gtの門田が紡ぐ独特の歌世界にあると思います。ストイックな世界観を表現するのは、文筆家かと思わせるほどにワビサビの効いた日本語遣い。誰しもが心に持つ葛藤に、彼の言葉は突き刺さってきます。
その後、『fm2』、『北九州トアル風景』、『LONDON PUNK1977 Tribute Album』、『under pop!』、『HI-STYLE VOL.7』と5つものコンピレーションに参加。そして、2004年の8月には、BGでリリースしたコンピレーション『Local Hero ~BG“CD”MAGAZINE Vol.1~』にもトップバッターとして参加、さらに同年11月に行ったBG MAGAZINE1周年イベントにも福岡公演で参加。おそらくBGと最も縁の深いアーティストと言ってもいいでしょう。
そんなわけで、これまでも彼らについて何度か書こうと思ったのですが、思い入れが強すぎるせいか、納得のいく紹介文が書けず、何度も断念しました(ちなみにこの文にもあんまり納得してません、悪しからず)。そんな隙に彼らは、昨年FUJI ROCK FESTIVALのROOKIE A GO-GOステージに出演するなど、着々とその名を広め、今年1月11日、遂に初の単独全国流通音源『cellophane』をリリースする事となりました。残念ながら地理的関係もあって3人ではないのですが、1/15発行のBG MAGAZINEで、一人東京に来た門田君のインタビューを掲載しておりますので、ぜひご覧下さい。
そのデビュー作となる『cellophane』ですが、普通、最初の音源となると、過去のデモから寄り集めたものが多いものですが、Herishに至っては全て新曲。その理由を訊いたところ、「新しいほうが好きなんで」(門田)と言うなんとも単純明快な答えが……。過去のデモに入っていた音源でも充分かっこよかったですが、新曲も勢いに満ちていて、なおかつグルーヴ感の増したHerishの魅力が詰まっています。しかも、同郷の大先輩にして伝説のロックバンド、ザ・ルースターズでも活躍し、現在ROCK'N ROLL GYPSIES、NO STARS INNOVATION、HEAT WAVEのメンバーとして、強靭なドラムプレイを魅せる池畑潤二さんがプロデュースをされております。その甲斐あってか、骨太さも一層増したように感じられます。
1月は地元小倉をはじめ、福岡、鹿児島で、2月には関東でもツアーを行う予定の彼ら。私が一番最近に見たのは昨年の5月でしたが、見る度に佇まいからもオーラが増しているような気がします。ありったけの感情を音に込めるHerishのライヴも是非ご体感下さい。(T)
Herish オフィシャルサイト
http://www.sound.jp/herish-web/
疾走感があって荒いかと思うと綺麗なメロを出し、変化球を使ってくる。
今回のアルバムは痺れる!
by 283 (2006-03-13 12:52)